Lichtopeが「自然」「文化」「芸術」をコンセプトに制作するMITSUOラインに、
源氏物語にちなんだ新色が誕生しました。
監修は、『イギリスはおいしい』、源氏物語の現代語訳『謹訳源氏物語』など
多数の著書を執筆されている、作家・国文学者の 林 望 先生です。
先生は、私が東京藝術大学時代に古典の授業の教鞭をとってくださっていた恩師で、
そのご縁で、ラベルデザインまで含めた、ご専門外の「文具の監修」というお願いを
ご快諾くださり、この得難いインクが生まれることになりました。
書き初めは新鮮な朱色が、次第にあでやかな濃緋となって落ち着いていくインクの色の変容は、
まるで紙の上に紅葉を観るようで、テーマにふさわしい、美しい発色を楽しんでいただける
ことと思います。
ゆかしい作品をご提案くださった林先生、
また、先生のイメージを忠実にラベルに描写してくださった
デザイナーのToshiko Longtail 氏に、あらためて御礼申し上げます。
【命名の由来】
雲林院は、京都大徳寺の南、紫野にあった寺院である。
『源氏物語』賢木の巻で、六条御息所も伊勢へ去り、藤壷宮にも拒絶されて苦悩していた光源氏が、
修養のためしばらく参籠していた御寺だが、折しも秋最中、紫野一帯はどこも見事な紅葉(もみじ)に
彩られていた。源氏は、参籠を終えて紫上のもとに帰ったが、山土産(やまづと)として紅葉の枝を持ち
帰り、なお思い切れぬ藤壷宮のもとへも、紅葉の枝に小さな恋文を結んで届けさせた。
このエピソードに因んで、豊かな紅の色相を持った新作のインクを「雲林院」と名付けた。(林 望)
林 望(はやし・のぞむ)
1949年生、慶應義塾大学大学院博士課程満期退学(国文学専攻)。
ケンブリッジ大学客員教授、東京藝術大学音楽学部助教授等を歴任。専門は日本書誌学・国文学。
『イギリスはおいしい』で日本エッセイスト・クラブ賞、『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』で国際交流奨励賞、『林望のイギリス観察辞典』で講談社エッセイ賞を受賞。『謹訳源氏物語』全十巻で毎日出版文化賞特別賞受賞。後に『(改訂新修)謹訳源氏物語』(祥伝社文庫)。
学術論文、エッセイ、小説の他、能作・能評論、古典論等著書多数。
声楽を学んで、バリトン歌手としても多くの舞台を踏むほか、歌曲・合唱曲等を多数作詩。
また観世流二十六世宗家観世清和師の作能にて『聖パウロの回心』を作劇。
※このインクはゆらぎのある発色で、紙によって現れる色が変わります。
※同一インクのご購入は一回につき、お一人様2本までとさせていただきます。
※撮影備品は付属しません
※画像の転載はお控えください